論文「大成算経の病題について(2)-変題第六-」(著者:藤井康生)                      


 日本数学史学会数学史研究編集委員の藤井康生先生(愛媛和算研究会特別会員)から、論文「大成算経の病題について(2)-変題第六-」が届きました。
 この論文は、2012年の数学史研究会での発表資料に新たに手を加え、書き下ろされたものです。詳しくは、論文「1 はじめに」をお読みください。

 『大成算経』(1710年頃)は、全20巻、約900丁1800ページに及ぶ大著で、当時の数学の全てを体系的に記述した書物です。
 関孝和(1642?~1708)とその弟子建部賢明(1661~1716)、賢弘(1664~1739)兄弟が1683年から28年を費やして書いたと伝えられています。 

 論文のタイトルにある「病題」は、「問題が適当でない」ことを意味します。「変題」は、「与えられた条件では2つ以上の答えが求まる」ことを指します。 
 
 当時の和算家は、答えがいくつも得られ、それらが全て題意にかなうものであっても、このような問題は不適当な問題としていました。したがって、適当に条件を加えたり、あるいは数値を替えて、ただ一つの答えが得られるように改めるのです。

 論文は、『大成算経』巻十八で取り上げている病題の変題5題に書かれている、一組の答えを持つようにどのような「条件を追加する」か、「条件の数値を替える」かについて解読されたものです。

 変題5題の問題そのものは難しくありませんが、『大成算経』の記述は難解なので、この論文は労作です。こちらからご覧ください。

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パラソニック本社構内
関孝和銅像
関孝和銅像
京都新宿区弁天町「浄輪寺」
関孝和の墓
掲示版

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