司馬遼太郎の祖父惣八の算額
NHK総合TVで、9月8日(日)から2009(平成21)年放送の「坂の上の雲」の再放送が始まりました。「坂の上の雲」放送中の2010(平成22)年3月16日(火)~28日(日)、「坂の上の雲ミュージアム」で松山市との共催で「愛媛の算額展ー算額から松山の数学力をたどるパネル展ー」を開催しました。
「坂の上の雲ミュージアム」にちなんで、作者司馬遼太郎と和算の関わりがある資料を探していたところ、当時近畿数学史学会副会長の藤井康生先生から、司馬遼太郎の祖父惣八が姫路市の「英賀(あが)天満宮」に算額を奉納していたことを報じた2002(平成14)年2月8日(金)付け朝日新聞記事「司馬さん祖父 解いた和算?」を知らせていただきました。
記事の内容は、この算額は遺失していますが、藤井康生先生が「英賀天満宮」に奉納された算額問題を収めた『奉懸算法』を姫路市内の旧家の古文書の中から見つけられ、算額の存在を裏付けたというものです。
司馬遼太郎は、祖父惣八について「ある明治の庶民」や「私の播州」で取り上げています。私信でも、「祖父は江戸最末期に成人し、惣右衛門(福田氏)といい、明治後、惣八とあらためました。宮本某という人について和算を学び、『広の天満宮に算額を上げた』というのが自慢でした。」と述べています。
算額展で展示した「英賀天満宮」のパネルを一部改訂した解説文を紹介します。こちらからご覧ください。
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