算額展
第1回
テーマ:愛媛の算額展ー算額から松山の数学力をたどるパネル展ー
日 時:2010(平成22)年3月16日(火)~3月28日(日)
会 場:坂の上の雲ミュージアム(松山市一番町3-20)
主 催:愛媛和算研究会
共 催:松山市
松山市に現存する算額を、将来への貴重な文化遺産として後世に残す「算額」データ化事業及び「算額」を庶民の学問の証しとして身近に感じてもらう和算・算額の理解、普及活動です。県外の方の来場もあり、「松山に算額あり」と全国に広めることができました。
もう一つの大きな催しは作家鳴海風氏による講演会です。和算の魅力がよく分かる素晴らしい内容で、会場を埋め尽くした大勢の市民の方々を魅了しました。
また、「愛媛の算額問題に挑戦しよう〈解答募集〉」の解答を募ったところ、県内外の高校2年生から82歳までの幅広い方々から28人の応募がありました。全国には、日頃の生活とはあまり関係のない算額問題に、時間をかけて取り組む人がいることを知り心強く感じました。
なお、算額の実物展示は次の3点です。
《伊佐爾波神社》
大西佐兵衞(1803年)
高阪金次郎(1873年)
《吉藤三島神社》
松岡多三郎(1880年)
特徴のある算額(配布した「三つ折りパンフレット」から)
番号 | 奉納神社 | 奉納者 | 特 徴 |
---|---|---|---|
1 | 伊佐爾波神社 | 大西佐兵衞 | 『続神壁算法』に収録された全国的に有名な額 |
2 | 伊佐爾波神社 | 佐野長次郎 | 数列を扱った県内唯一の額 |
3 | 伊佐爾波神社 | 山崎喜右衛門 | 一門の繁栄を祈願して奉納されたと思われる額 |
4 | 伊佐爾波神社 | 越智峯次 | 答術に10次方程式が示されているめずらしい額 |
5 | 伊佐爾波神社 | 吉田茂兵衞 | 積分法へと発展した穿去問題を扱った額 |
6 | 伊佐爾波神社 | 高阪金次郎 | 11歳で奉納された幼少の額 |
7 | 伊佐爾波神社 | 中村正教 | 県内唯一の昭和に奉納された額 |
8 | 太山寺 | 花山金次郎 | 自己の実力を誇示して奉納されたと思われる額 |
9 | 吉藤三島神社 | 松岡多三郎 | 息子の学力向上を祈願して奉納された額 |
10 | 金刀比羅神社 | 別宮四郎兵衞 | 難問が解けることを祈願して奉納された県内最古の額 |
第2回
テーマ:才能の競演 愛媛の算額~愛媛の数学力と和算のおもしろさを探る~
日 時:2012(平成24)年10月17日(水)~11月4日(日)
会 場:愛媛大学ミュージアム(松山市文京町3 愛媛大学城北キャンパス)
共 催:愛媛大学教育学部・愛媛和算研究会・愛媛大学ミュージアム
「算額から愛媛和算家の数学力を探る」と「和算のおもしろさを知る」の2室を設け、県下の算額を実物大パネルで紹介しました。
愛媛大学教育学部教授平田浩一先生を中心に数学教室の先生方と大学生が、未解決の江戸時代末期に奉納された伊佐爾波神社の算額をコンピュータを駆使して解き、その現代解から奉納者の数学力(解法)を探ることに取り組んだ成果を発表されました。現代解で得られた数値で問題の図が描けるかを検証されました。
そして、解から推察して不鮮明な文字が判読でき「正確な額面」になりました。また、ハイレベルな和算公式を使い簡素に解いていることも分かりました。
今回も「和算問題に挑戦しよう〈解答募集〉」の解答を募りました。
それから、この算額展が契機で、2013(平成25)年2月9日「NHK おはよう日本」で「超難問江戸時代の算額に数学者が挑む」と題して全国放送されました。
“超難問”は太山寺の算額
数学者は平田浩一先生です。
2回の算額展で作成したパネルを活用した「算額パネル展」の開催を愛媛和算研究会の会員に呼びかけ、学校の文化祭で開催しています。