日本数学史学会数学史研究編集委員の藤井康生先生(愛媛和算研究会特別会員)
から、論文「変式と適尽諸級法」が届きました。
「適尽諸級法」は、関孝和の著書『開方飜変(かいほうほんぺん)』(1683年)
において論じられています。
本書は、関孝和による方程式論で、関流算法七部書の一冊に数えられています。
『開方飜変』は、以下の5章から構成されています。
| 開出商数第一 | 当時は、方程式(開方式)の解は正の解のみを考えていましたが、負の解をも取り入れて、解の性質に応じて 方程式を分類しています。 |
| 験商有無第二 | 正の解および負の解の存在を判定するための方法が示されています。 |
| 適尽諸級第三 | 方程式の判別式を論じています。 |
| 諸級替数第四 | 正の解を持たない方程式に対し、特定の係数(級数)の絶対値のみを替え、符号は維持したままで、正の解を得られるようにする手法について論じています。 |
| 視商極数第五 | 導関数が用いられ、極大・極小の理論の起源ともなる方法が提示されています。 |
本論文では、加藤平左エ門著『算聖関孝和の業績』(1972年・槇書店)61ページに記された「方級法以外は無意義」とする評価が果たして妥当であるのかを検証するため、『開方飜変』の「適尽諸級第三」および「諸級替数第四」を取り上げて、関孝和が適尽諸級法をいかに考察したかを論じています。
論文「変式と適尽諸級法」は、こちらからご覧ください。
あわせて、2次方程式、3次方程式における適尽諸級法の求め方についての補足資料は、こちらからご参照ください。
『開方飜変』の写本は、早稲田大学図書館古典籍総合データベースでご覧ください。