伊予宇和島藩士「徳久知弘」の「所懸和霊大明神筭㳒」


令和7年10月12日(日)、県立宇和島東高等学校26期(普通科・理数科)卒業生による卒業50周年同窓会に招かれ、懐かしく楽しいひとときを過ごしました。
挨拶の中では、昨年令和6年10月4日(金)に「愛媛和算研究会」のWebサイトを公開したことにも触れました。

懇談の場では、アントニア先生が出演された9月2日(火)放送のNHK総合TV 『最深日本研究 ~外国人博士の目~ 算額を知りたい』を見た方から、「和算や算額がよく分かった」との声も寄せられました。

また、和算・算額に関心を持っていると語ってくれた方には、限られた時間でしたが、宇和島藩にも和算に秀でた藩士「徳久知弘」がいたこと、彼が和算書を著し、和霊神社に和算問題を奉納していること等を話しました。

以下に、徳久知弘が奉納した和算問題を紹介します。
奉納先は、宇和島市和霊町にある和霊神社です。

この和算問題は、『算法雑題答術』(天、地、玄、黄の四巻構成 京都大学蔵)のうち、「黄」(1841(天保12)年)の巻末に掲載されています。

「黄」に収められた「所懸和霊大明神筭㳒」の解義の解説は、こちらです。
平田浩一先生(松山大学情報学部教授・愛媛大学名誉教授)による現代解は二つあります。
六斜術を用いた現代解は、こちらです。
算変座標を用いた現代解は、こちらです。

なお、和霊神社は昭和20年の宇和島空襲で建物を失い、昭和32年に再建されました。そのため、当時奉納された和算問題は残っていません。 

徳久知弘は、日本学士院編『明治前日本数学史』において、愛媛県出身者として唯一取り上げられている和算家です。その人物像や業績については、こちらでご覧いただけます。

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